内科の病院へ

次の日の朝、目が覚めた。

お腹がいたくて目が覚めてしまったのであった。

「とりあえずトイレに行こう」

ベッドから起き上がると、部屋を出てトイレに向かった。トイレの前の廊下には、昨日間に合わずにもらしてしまった大きいのがいっぱいフローリングにべったりくっついていた。片づけたい、でも片づけるだけの力が、体力がいまは無い。なるだけ見ないようにそっぽを向いて、トイレの中に入った。しかし、おしっこは、やはり一滴も出なかった。

「また便秘か」

昨夜は、便秘薬のおかげで大量に大きいのが出た。きっと、そのときに自分では気づかなかったが小さいのだって出たのであろう。それが一日経って、また出なくなってしまったのであろう。そう思っていた。だったら、また便秘薬を飲めばいい。そう思ったのだが、いま廊下のフローリングに散らかっている大きいのを見ると、とてもじゃないが便秘薬を飲んで、さらにまた廊下にフローリングに大きいのを散らかす気にはとてもなれなかった。

「とりあえず病院行って、お医者さんに診てもらおう」

そう思った私は、会社にもう一日お休みしたいとメールすると、着替えて1階に降りるとマンションの外に出た。確か、スーパーマーケットの前を通り過ぎて、昨日のピンクの小粒・コーラックを購入したドラッグストアの前に内科の病院があったはずだ。痛いお腹を抱えつつ、必死の思いで病院の前までたどり着くと、病院の入り口に倒れ込んだ。

「保険証ありますか?」

受付の人に言われ、必死でバッグの中から財布を取り出し、財布の中を探って保険証を取り出して、その受付の人に手渡した。受付の人は、保険証を受け取ると、中で手続きをしていたが、

「この保険証は期限が切れています」

手渡した保険証を返された。私は、サラリーマンなのだが会社で健康保険の加入が無いので、国民健康保険に加入している。保険料は口座引き落としなので保険料を支払っていないわけではなかった。

おそらく会社で健康保険に加入していれば、会社の総務担当者が新しい保険証を手渡してくれていたのだろうが、国民健康保険なので、新しい保険証は区役所から直接郵送で送られてくる。郵送された新しい保険証は、書留かなにかになっているらしく、受取人不在で区役所に戻ってしまっていたらしい。

「新しい保険証は区役所に保管してありますので、取りにきてもらえればいつでも渡せます」

区役所に電話すると、そう返事された。ともかく新しい保険証が無いと、病院で診てもらうことも出来ない。仕方ないので、家の近くの内科を出ると、フラフラと表の通りに歩いて行く。そこでタクシーを拾って、歩いても10分ぐらいのところにある区役所まで駆け込もうと思ったのだ。区役所で保険証を受け取ったら、その後は、どこでもいい、区役所の近くの内科に行って診てもらおう。

「ヘイ、タクシー!」

フラフラの身体で歩道の地面に腰掛けながら、一生懸命に手を上に上げて、タクシーを停めようとするのだが、手が高く上げられず、タクシーの運転手になかなか気づいてもらえない。それを見かねた近くを歩いていた女性が、私に代わって手を上げてタクシーを停めてくれた。女性に御礼をいうと、タクシーの後部座席にフラフラと乗って横になる。

「区役所までお願いします」

タクシーは、最短距離で区役所の前まで向かってくれ、そこで降りると区役所の中に駆け込んだ。そこで、新しい保険証を受け取ると、ここから一番近い内科を訪ねた。なんと、区役所の入り口を出たすぐ目の前の道を渡ったところにあるという。

私は、区役所の建物を出ると、そのまま前の道を横断して、すぐ目の前にある内科のビルの中に入っていった。内科はエントランスのエレベーターに乗って上がった2階に在った。受付でもらったばかりの保険証を手渡すと、看護師がフラフラの私の身体を抱えて、医務室の奥のベッドに寝かせてくれた。

本当は、順番待ちでたくさんの患者さんたちが受付の椅子には腰掛けていたのだが、私の体調をみて受付の椅子に腰掛けていられそうもないと判断したのであろう。医務室の奥のベッドで寝かせられた状態でお医者さんに診てもらう順番を待つこととなった。

大きな病院へにつづく